教室ブログ

2017.10.14

I’m just bored. と I’m just boring.

高校生の英語長文読解の授業。今回は、

 

「スマホに熱中する親の悪影響」というテーマの重い文章でした。

 

スマホに気が行きすぎて子どもを構っていない親が、いかに子ども

の発達の影響をあたえるか、というアメリカの事例についての文章。

 

その中で、心理学者キャサリン=スタイナー・アデアという人の本

の内容が紹介されており、親がスマホをいじっていることについて

1000人の子どもにインタビューしたエピソードが書かれていました。

 

その中で、一人の女の子がこう言ったと書いてありました。

 

There was one girl who said,

(一人の女の子がこう言いました)

 

“I feel like I’m just boring. I’m boring my dad because…”

 

上の文を「和訳してみて」、と尋ねると、

 

「退屈してるような気がする」という答えがかえってきました。

 

「なんでそう訳したの?」

 

「だって親がスマホを見てるから、子どもは放ったらかしにされているんでしょ

。退屈じゃん」。

 

「あのさ、boringってさ、…」と解説。

 

元の形:boreは「退屈させる」(退屈という感情を与える)という意味で、

boringは「退屈させるような→つまんない」という意味になります。

これは高校英文法のわりと基本的なことなのですが、生徒は知っていた

けれど話の流れから、ついそう捉えてしまったようです。

事実この文章の設問はほぼパーフェクトでした。

 

「そういう意味なら、I’m just bored. ってなってなきゃならないよ。

だからね」

 

「うん」

 

「I’m just boring.は、”ワタシなんか親からしたら退屈な、

つまんない人間なんだ”という意味になる。”ワタシがそんなだから、

パパはスマホばっかり見ているんだ”って」

 

ガーーーン!という空気になってしまいました。

 

「この子、かわいそう」とポツリ。

 

いやあ、お互いなかなか刺さる文章でした。

だから面白い。

 

 

中3生の模試の成績表が返ってきました。

英語の平均点が受験者全体で低く、大形木戸の受験生たちも

苦労した子が多かったようです。まだ途上!

 

読んで本当に面白い英文に触れられるのは、

高校生になってからがほとんど。

彼ら彼女らにも早く英文を読んでいろいろ感じる経験を

積ませたいなあ、としみじみ思います。

 

近藤

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