高校生の英語長文読解の授業。今回は、
「スマホに熱中する親の悪影響」というテーマの重い文章でした。
スマホに気が行きすぎて子どもを構っていない親が、いかに子ども
の発達の影響をあたえるか、というアメリカの事例についての文章。
その中で、心理学者キャサリン=スタイナー・アデアという人の本
の内容が紹介されており、親がスマホをいじっていることについて
1000人の子どもにインタビューしたエピソードが書かれていました。
その中で、一人の女の子がこう言ったと書いてありました。
There was one girl who said,
(一人の女の子がこう言いました)
“I feel like I’m just boring. I’m boring my dad because…”
上の文を「和訳してみて」、と尋ねると、
「退屈してるような気がする」という答えがかえってきました。
「なんでそう訳したの?」
「だって親がスマホを見てるから、子どもは放ったらかしにされているんでしょ
。退屈じゃん」。
「あのさ、boringってさ、…」と解説。
元の形:boreは「退屈させる」(退屈という感情を与える)という意味で、
boringは「退屈させるような→つまんない」という意味になります。
これは高校英文法のわりと基本的なことなのですが、生徒は知っていた
けれど話の流れから、ついそう捉えてしまったようです。
事実この文章の設問はほぼパーフェクトでした。
「そういう意味なら、I’m just bored. ってなってなきゃならないよ。
だからね」
「うん」
「I’m just boring.は、”ワタシなんか親からしたら退屈な、
つまんない人間なんだ”という意味になる。”ワタシがそんなだから、
パパはスマホばっかり見ているんだ”って」
ガーーーン!という空気になってしまいました。
「この子、かわいそう」とポツリ。
いやあ、お互いなかなか刺さる文章でした。
だから面白い。
中3生の模試の成績表が返ってきました。
英語の平均点が受験者全体で低く、大形木戸の受験生たちも
苦労した子が多かったようです。まだ途上!
読んで本当に面白い英文に触れられるのは、
高校生になってからがほとんど。
彼ら彼女らにも早く英文を読んでいろいろ感じる経験を
積ませたいなあ、としみじみ思います。
近藤