Wam出来島校の木村です。当教室には中学受験をめざしている
小学校5年生の女子がいます。彼女は、例えば算数の計算問題や
国語の漢字読み書きなど、答えがはっきりしていてすぐに求めら
れる問題には抜群の能力を発揮します。
でも算数では図形と文章題の複合問題がちょっと苦手です。また
合格をめざす中学の国語の受験問題では、文章を読んで「・・・
について自分の意見を80字以上書きなさい。」といった問題が出
題されるのですが、この自分の「考え」をまとめるという作業が
とりわけ苦手みたいです。文章の構造やつながりに関する問題、
指示語の中身を抜き書きで問われる問題も他の問題に比べると正
解率がなかなか向上していきません。
先般この女子のお母さんと、夏期講習後に行われた全国テストの
結果をお返しする保護者面談を行い、上記の対策について協議を
しました。お母さんいわく、
「読書は好きなのですが、感想文を書くのは嫌いで・・・。」
二人の結論として、作文を宿題にしてみましょう、ということに
なりました。まずは10月の課題として短め、130字から15
0字に文章をまとめる課題を3つ。
(1) 現在学校で学習している学校の科目の中で一番好きな教
科とその理由を書きなさい。
(2) 「こころ(心)」について自由に書きなさい。
(3) 「交通事故」について、あなたの考えを書きなさい。
予想していたことでしたが、この課題を見たその女子はいきなり
パニックに。
「『こころ』ってなに。全然わからない。」
「○○ちゃんには『こころ』はないのかな。」
「ええっ、ないんじゃないかな。『交通事故』についても考えな
しの一言で終わり。」
「お父さん、お母さんと話し合ってもよいから、とにかく自分な
りに考えてごらん。○○ちゃんはとにかく考えること自体が苦手
なんだから。」
いつもの調子なのですが、今日もこんな会話となりました。
「心」という漢字を習うのは小学校2年。
「夏休みのできごとで心にのこったことについて書きなさい。」
という問題が現在の小2の教科書に載っています。この課題では
「すべての小2のこども(人間)に心がある」ことが前提になっ
ているのは明らかです。みなさんはどうお考えでしょうか。
このことに関する論議はともかく、彼女がどんな作文を書いてく
るのかとても楽しみではあります。