個別指導Wam大形木戸校の小島です。
まだ残暑の厳しい時節ですが、朝の冷え込みは明確に秋の訪れを感じさせます。気温の急激な変化で、風邪など引かないようお気をつけください。
タイトルが漢字ばかりで漢文みたいですが、9月22日に、適性検査を課される中高一貫校を受験する子どもたちを対象として、特別講座を行いました。
内容は、生徒2人と講師1人の計3名で、1つの課題に対し、議論をしながらより良い答えを探していくというものです。
この講座の目的は、「自分の意見を主張するのに慣れること」「他者の意見を取り入れて自分の世界を広げること」の2つです。
一番初めは「フィンランドの小学5年生が作った議論の10のルール」を基に、議論の仕方や、そもそも議論は何のためにするの?ということを確認しました。
議論する理由を聞いたとき、生徒の一人が、すぐに「議論はより良い答えを探すためにやる」と答えてくれたのには驚きました。
さて、今回の議題は、「友達から遊びに誘われて、今日はだめ。遊べないの。と言って断ったら、友達が怒ってしまった。なんと言って断ればよかったのか」という問題です。状況設定として、主人公は今日、おばあさんのおみまいに行く予定でした。
とりあえず、2人の生徒それぞれに、意見交換せずに解答を作ってもらいました。その回答は以下のとおりです。
「ごめんね。今日はおばあさんのおみまいに行くんだ」
「ごめんね。おばあちゃんのおみまいにいかないといけないから、また今度ね。」
この2つの解答を基にして、より良い解答の作成開始、議論の始まりです。
とりあえず、お互いの解答の良いところ、悪いところ、その他思ったことなどを挙げていってもらいました。
・あやまったほうがいい
・遊びに行けない理由(おみまいに行く)を言う
・次に誘ってくれたら遊べるということを伝える
・「また今度ね」の「ね。」が上から目線
・謝るときは暗く、「また今度ね」は明るく言う
・病院に行かなければいけないと嘘をつく
・次の約束を取り付けておく
などなど、いろいろな意見が飛び交いました。
私は、遊びに行けない理由で嘘を言うのやめたほうがいいだろう、などとアドバイスをしたり、議論の舵をとりつつ、2人の意見をまとめていきました。
最初は議論に慣れず、話があちこちに飛んだりしましたが、時間が経つにつれ、一つの話題を深く掘り下げるということができるようになっていきました。
意見が出揃ったところで、2人にそれぞれの解答を書いてもらいました。それがこちらです。
「ごめんね。今日は入院しているおばあさんのおみまいに行く日なんだ。今度遊べる日いつ!じゃあその日遊ぼうよ!!」
「ごめんね。今日は入院しているおばあちゃんのおみまいに行く日だから遊べないんだ。(次に遊べる日を聞く)じゃあその日に遊ぼう。」
どちらの解答も、最初の解答より段違いに良くなりました。「あやまる」・「理由を言う」・「次につなげる」という、3つのポイントがしっかりと盛り込まれています。
一つの問題について議論をして、より良い結果を出すという目標を達成できたと思います。
時間が余ったので、もう一つ問題を作りました。
「今日の議論で得た結論だけど、これを実際の会話で言えるかな」
「言えない」
「じゃあ、どうすればこういうことをとっさに言えるようになるんだろう?」
またもや議論の開始です。
2人が出した意見は、
・練習する
・計算問題で脳の回転を早くする
・国語の問題をたくさん解く
・言葉を考える時間を作る
というものでした。
ここで、「言葉を考える時間を作る」という内容から、「相手の気を引く」という言葉が出てきました。そして、ついに、「えーと、と言って時間を作る」、という答えが出てきました。
素晴らしい。2人ともよくやった。この議論は大成功だったと言えるでしょう。
議論の後、2人とも楽しかったと言ってくれました。
この特別講座は毎週行うので、お互い次の講座が楽しみです。