7月31日の黒埼校佐藤教室長の投稿で、中3生の面談で球の体積と
円の面積(中1の学習内容)を問いかけると答えられない、という事
例が紹介されていました。出来島校ではこの夏、高校3年生、2年生
の新規のご相談が多く、ほとんどの生徒たちが「苦手は英語」「数学
がやばい」と訴えて来ます。
「国語は大丈夫?」と尋ねると「大丈夫。得意な方です。」の答え。
「本当に? 現代文は信じるとしても古文・漢文は?」と突っ込むと
大概モゴモゴ。
「試しに、『東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしとて
春な忘れそ』という菅原道真の短歌の最後の部分、『春な忘れそ』を
現代語訳できる?」と尋ねると今夏の正解率0%。
「まず英数だけど古文もちょっとやらないといけないかも。」と大概
思ってくれるようです。
私(木村)がこの両面接辞「な・・そ」を高校で習ったのは遥か遠い
40年以上も前の話。この説明のために当時の古文の先生が黒板に蝦
夷の侵入を防ぐために設置された奥羽三関(関所)の一つ「勿来」を
板書。皆さんは福島県のこの地名が読めますか?
「な+動詞連用形(カ変、サ変は未然形)+そ」は禁止を表現する両
面接辞で源氏物語などにも頻発。よって「勿来」の読み方の正解は
「なこそ」(な来そ)。「来てはいけない」「来るな」の意味になり
ます。
漢文でも「勿」の字は禁止を表し、この場合はレ点を付けて「来る勿
れ(クルナカレ)」と読み下すと解説されました。古文、漢文両方を
股に掛けた見事な教え方だったと今もこの古文の先生のことは鮮明に
覚えています。
「春な忘れそ」はもう訳せますね。「春を忘れないで」ですね。
大学受験の決め手の一つは一見雑学とも思える「保有知識の幅の広さ」
「知識量」です。高校生の皆さん、Wamの夏期講習で多様な知識を
手に入れませんか?