出来島校の木村です。今年度は時々塾生たちが、現在どんな勉強をしているの
かを覗いてみましょう。
今日は中学3年生の数学。現在は「式の展開」から「因数分解」に差しかっか
ているところ。中3数学はこの2つの単元で頻発する「2乗」とこの後に学ぶ
「平方根」に終始するといっても過言ではありません。方程式は「2次方程式」、
関数も「2次関数」、図形でも「三平方の定理」・・・。
さて、「式の展開」と「因数分解」の間に教科書(啓林館)にたった2ページ
だけひっそり置かれている単元が「素因数分解」です。「素数」「因数」とい
う用語を初めて学ぶことになりますが、何となくすっと流れていく部分ですし、
どうして「式の展開」と「因数分解」の間、このタイミングで勉強するのかわか
りづらい単元ではないでしょうか。
でも実はこの「素数」、結構奥深いのです。小学校で勉強した「最小公倍数」
も簡単に発見できるようになりますし、現実の社会生活でも「この数って3で
割り切れる?」という見極めに遭遇することは決して珍しくありません。
ここで一つ問題です。去年は2016年でした。「2016」は「7」で割り
切れるでしょうか。素因数分解すると
2016=2×2×2×2×2×3×3×7
見事割り切れます。「32×63」など様々な積のかけ算で書くことができる
のがわかると思います。
では第2問。今年は2017年。「2017」は「1×2017」以外の積の
かけ算で書くことはできるでしょうか。
正解。できません。つまり「2017」は素数です。2、3.5.7、11、
13・・・・と始まる素数の「306」番目が「2017」。
これは知っているからと言って、テストにも受験にも余り役に立たないことか
もしれません。でも「数字」に興味を持ち、その構造がわかることは「数学」
の理解にとても役立つのです。
ちなみに307番目の素数は「2027」。10年待つ間は割り切れる数の年
が続くことになります。