「自己を反省するためには、つまり自己をあるがままに発見するためには、非本質的なものは、他者への隷属を通過しなくてはならないし、本質的なものは他に依存する辱めを経験しなくてはならない」(L・Althusser)
国公立大の前期試験が開始しました。受験生にとっては、恐らくこれまで生きてきた中で最大の困難であるかと思います。人生の前半は、様々な困難にぶつかり、挫折し、その中で自分を鍛えなおして、また立ち直るといったことが繰り返されます。つまりは否定性に耐えることが青年時代に課せられています。
挫折や失敗は、自分が秘かに希求していた自己充実の機会を喪失することです。もっと若い頃には疑いをはさむ余地のなかった自分なりの真実をまったく見失うことであるから、生の逸失感=空虚を味わうことに繋がります。
回りくどい言い方になりますが、今は皆宙吊りの状態であり、時に空虚という名の否定性を抱えることになるかもしれませんが、爾後も自分に挑戦してくる対象を乗り越えていかねばならない、これだけは今日付言しておきます。