お盆前、北國新聞社から「石川県の高校入試2017」が届きました。この本の解答解説を執筆し始めてから、20年以上になりますが、昔と今では、出題傾向も内容もだいぶ違ってきています。
特に顕著なのは、私立高校の問題です。かつては、誰でも解けるような、苔むしたような問題を出題していた高校が、独創的、個性的な出題をするようになってきました。そこには、公立高校に負けないための、Only-Oneを目指す気概と、自校の教育に対する矜持が見えるような気がします。「我が校はこのような学校である。」と、入試問題が主張しているのです。……時々、独創的過ぎるのもありますが……。そのため、金沢市内では、私立専願者がかなりいます。また、ある程度の私立高校に合格しておけば、公立高校は不合格覚悟でランクの高い高校を受験する生徒もいます。それだけ、私立高校がしっかりしているのです。
それとは対照的に、富山県の私立高校は何をしているのだろうと思ってしまいます。野球やサッカーのおかげで、富山第一高校が多少は全国区なのかもしれませんが、それでも、自らすすんで、富山第一高校へ進学したいという生徒はどれくらいいるのでしょうか?第一高校に合格したから、公立入試ではレベルの高い高校を記念受験しようという生徒はどれくらいいるのでしょうか?公立高校不合格者の受け皿にしかなっていないようにみえるのです。それでいいのでしょうか?
公立高校には実践できないOnly-Oneを目指して、もっと私立高校には頑張ってもらいたいのですが。