教室ブログ
こんにちは。個別指導Ｗａｍ小宮町校の秋元です。
成人式に思う
新成人のみなさん、おめでとうございます。
この時期になると、自分の成人式のことを思い出します。
あまり行く気がなかった式典。ケジメだからと普段着のジャケットを着て、自転車で市の体育館に行きました。式が始まり、来賓の〝おきまり″の挨拶が続きました。あまり関心もなく、ぼやっとして聞いていましたが、最後に新成人の代表が言葉を述べる段になりました。
「私たちの代表って誰なのかな？誰が、どうやって選んだのか。少なくとも私にはまったく声はかからなかったんだな。声がかかっても困るしな。」と、少々白けた感じでおりました。
舞台の右手の袖から「彼女」は登場しました。介添えの人に車椅子を押されて。
ハッとしました。足が悪い？何か障碍でも？少なくともそれまでぼんやりしていた気持ちが吹き飛びました。
彼女は筋ジストロヒィーの患者さんでした。進行性で肉体をむしばみ、治療法は確立されていない。
わずかな時間の挨拶でも、その負担は大きなものであると容易に見て取れました。聞くというより見つめていました。彼女の姿を。「今日まで生きて、この日を迎えられた。これから残された日を、しっかり生きたい」 言葉の細部は忘れてしまいましたが、彼女の全身からその思いが伝わってきました。
私の生きている1秒も、彼女の生きている1秒も同じ長さ。ただその重みはまるで違う。帰り道、華やかな振り袖姿の女性たちや、最近買った新車の話で盛り上がっている旧友たちと別れ、自転車をこいで帰りました。
「彼女に恥ずかしくないように生きたいな」
私の、20歳の、ささやかな決意でした。
