こんにちは、庄内校の塩崎です。天気が安定しない日が続きましたが、週末からいよいよ夏の暑さも本格的になってきました。皆さん夏バテには気をつけて、この夏を乗り切りましょう!
さて、今回は久々、大好評の講師インタビュー第四弾をお届けいたします。
今回は女性講師の井関先生がお相手です。現在、立命館大学二回生の井関さんは、夏休み明けからカナダ屈指の名門大学であるブリティッシュ・コロンビア大学へ半年間の留学を予定しています。そんな井関さんの幼少期から大学生活にかけての軌跡を伺いました。それではどうぞ!
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塩崎「まずは井関さんの地元について紹介してください。」
井関「生まれ育ったというと、今は寝屋川に住んでいるんですけど、元々小学校二年生までは東大阪市に住んでいて。東大阪市は結構知られていると思うんですけど、工場や中小企業が凄く多くて。マンションに住んでいたんですけど、大家さんも隣の工場に関係している人だったりとか。なんというか、地域のつながりが強かったな、というのを小さいながらに感じていました。マンションなのに違う部屋の子供やおじいさんおばあさんと仲が良かったり。そこから小三になって寝屋川に来て、しばらくおばあちゃんの家に住んでいたんですけど、ある程度育ってから来たところなんで、少し疎外感というのは感じましたね。小さいときから一緒に育ってきた友達とかがいないので。」
塩崎「東大阪というとなんというか、活気があって、僕はいわゆる北大阪の千里や箕面で育ってきたので、(北とは)ぜんぜん違いますよね。庄内はちょっと東大阪と似ているかな(笑)でも寝屋川もいい場所でしょう?」
井関「ん~。あんまりパッとするイメージがないですけど(笑)となりにある枚方のほうが個性が強いので。枚方パークがあったりとか。」
塩崎「たしかにパッとでてくるものはないかもしれませんね(笑)コナンに出てくる服部平次の故郷なんですよ?」
井関「あ、それなにかで見たことあります。笑」
塩崎「そーなんです(笑)幼少期から小学生の頃にかけて、どんな子供でしたか?」
井関「私は結構おしゃべりで気が強かったんですけど、家ではお母さんが凄く怖かったのでだんまりしてて。なので小さい頃から家の外と中とでは(自分のキャラに)ギャップがあって、幼いながらに悩んだことがあります。」
塩崎「小さい頃は勉強は好きでしたか?」
井関「好きだったんですけど、できなくて、私は(笑)」
塩崎「そうなんですか?」
井関「例えばなんですけど、時計を読めるようになるのがだいぶ遅かったり。でも母親が『勉強しなさい』っていう感じだったので。ドリルを買ってきて『朝やりなさい』だとか。そういう習慣があったので、嫌とかそういうのはなかったんですけど。」
塩崎「じゃあ(お母さんは)けっこう教育熱心な。」
井関「小さい頃はそうでしたね。」
塩崎「中学校になると勉強も、定期テストがどうこうとかありますけど、まず中学校の思い出は何かありますか?」
井関「中学校は部活ですかね。水泳部に入ってたんですけど、わたし凄い運動神経が悪くて。でも運動部に入りたいなって思ってて、その中でも水泳は小さい頃から続けていて得意だったので、それでやろうと思って入ったんですけど、なかなかやっぱり。始めは習っていたので一番だったんですけど、どんどん抜かされていって。結局ぜんぜん伸びないっていうのと、後輩が入ってきて後輩にも負けてしまって、大会にも出れないだとか・・・。凄くいっぱい悩んだ思い出があります。」
塩崎「そんな経験を振り返ってどうですか?」
井関「今もしんどいことってありますけど、いくらでも逃げられるなって。実際に逃げたことも色々あったんですけど。でも中学のときは逃げられなくて、この状況でも『やらなきゃ』って。そのときに忍耐力というか、『割り切る力』っていうのは培われたかなと思います。」
塩崎「じゃあ水泳部は最後まで続けられた?」
井関「はい。」
塩崎「素晴らしいですね。中学の時には塾には通ってましたか?」
井関「通ってました。小六のときに自分から行きたいって。」
塩崎「なんでまた行きたいと?」
井関「勉強は好きだったんですけど、できなかったので(笑)なんか、悔しかったんですよ。小学校も高学年ぐらいになると、できる子とできない子ってハッキリしてくるじゃないですか。それが凄い悔しくて。小さいときから私はよく喋るタイプだったので、小学校ではよくクラスの委員長とかしてたんですよ。でもなんか、委員長とかって賢いイメージがあるじゃないですか(笑)」
塩崎「ありますね(笑)」
井関「そういうイメージになりたくて塾に行きだしたんですけど・・・。進学塾だったので賢すぎて、周りが。しかも成績順に席を決められる塾で、前から順に成績が低い子から座っていくんですよ。で、私は一番前から始まって(笑)小学生なのにあんまり授業についていけてなかったんで、先生から特別に課題を渡されたりとか。中学受験は目指してなかったんですけど、小六のときは凄い大変でした。勉強勉強ってなって。」
塩崎「じゃあ塾は結構きびし目の?(笑)」
井関「厳しかったですね(笑)」
塩崎「集団塾ですか?」
井関「そうですね。」
塩崎「楽しかったです?」
井関「ん~(笑)でも先生は好きでした。けっこう魅力的な先生がいて。でも私は恥ずかしがりだったんで、集団っていうのがだいぶキツかったんですよ。しかもパッて席順で成績がわかるっていう状況が心理的負担で。でもそれが逆に悔しくて、バネに変えて頑張ってはいました。」
塩崎「ではその逆境をいい経験に変えて。」
井関「はい、なりました。結局最後は一番最後の席までいけて。」
塩崎「うちは『アットホーム』な教室ということで、その塾さんとはだいぶカラーが違うとは思いますけど、どんな印象をもたれていますか?」
井関「個別塾は初めてだったんで、受けたこともなかったし。初めは距離感がわからなくて、(実際に)溝も感じてたんですけど、徐々に子供たちが心を開いてくれる、寄ってきてくれるというのが凄く感じられるので、とてもいいかなと思います。」
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「私は結構、競争心が強かったのかなって。心配性でもあったんですけど。なんかでも、そういう自分の長所や短所をうまく自分のやる気につなげられたら一番いいんじゃないかなって。」
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塩崎「ご自身の高校受験を思い返していただいて。出身校の大手前は大阪でも一、二を争うようなところですけど、やはり上のほうを目指しておられた?」
井関「目指してました(笑)また塾の話に戻るんですけど、毎回『前回の復習テスト』みたいなのがあって、テストをその場で相手と丸付けして、皆がいる中で点数を先生に言わなくちゃいけなかったんです。それが凄くプレッシャーで、『変な点取ったらどうしよう』っていうのがあったんで。なので私は毎日あほみたいに勉強勉強ってしてて。それに中1のときから『高校ってどんなとこかな』っていう、期待がいっぱいあったんで、色々自分で調べてたんですよ。で、とりあえず始めは設定を一番上にしたほうがいいかなと思って、なんとなく大手前って思ってたんですけど。プレッシャーと戦いながらまず中学一年生を終えてみて、成績をみたら『このままやったらいけるかもしれないよ』って言われて。そしたら『もうちょっと頑張ろう』って。でも中二って中だるみの時期じゃないですか(笑)そのときは『ここで成績落ちたらどうしよう』っていうのをバネにして、ずっと勉強に取り組んでいました。」
塩崎「なるほど。中一のときから志望校を持って勉強をずっとやってきたっていうのは素晴らしいですね。中三の時はどうでしたか?実際に受験前ってなって。」
井関「私は、それが凄い失敗やったかなって思うんですけど、中三の夏頃に急に力が抜けて、ぜんぜん勉強に身が入らなくなって。今までテストで『こんな点取ったらどうしよう』とか思って必死で勉強してたのが急になくなって、宿題もしなくなって。大手前には行けたんですけど、第一志望の文理学科は落ちてしまって。一番大切な中三が一番頑張りきれなかったかなっていうのが、今も心に残ってますね。」
塩崎「なんでなんでしょう、思い返してみて。」
井関「一、二年で燃え尽きちゃったのかな、ちょっと疲れちゃったのかなって思ったんですけど。でもホントにあのとき、今でも後悔してるのが、「もっと頑張ればよかったな」って。結構それが癖になったりもしていて、大学受験のときも直前になんか、すごいやる気なくなったりとかしてしまったんですよ。それってそのときの癖がずっとついてるんだろうなって、しみじみと思いました。」
塩崎「なかなか難しいところですよね。いまこうして教える立場になっていただいて、よくお分かりいただいていると思うんですけど、中三だけ頑張ってもまぁ中々しんどい。」
井関「しんどいですね。」
塩崎「やっぱり中一、中二、なんなら小学生の時からしっかりやっていかないといけない。」
井関「習慣・積み重ねですからね。」
塩崎「もちろん三年生は凄く大事な時期で、勉強内容も格段に難しいですし、更に精神的にしんどくなってくる。そこのバランスをうまいこと取りながら勉強しないといけないっていう、当時の我々にも難しいことではあったと思うんです。いま教える立場に立たれて、井関さんはご自身の経験を振り返って、生徒たちにどんなアドバイスを送りたいですか?」
井関「もし今一年生の子だったら、『継続した人が一番いい結果に繋がる』ということはわかってほしいなって。ここだけポイントでやってそこだけポイントで頑張ってっていうのじゃ、やっぱり限界が来てしまうのかなと。今一年生の子はまだまだチャンスがあると思うので、そこは心に留めてほしいなって思います。」
塩崎「そうですね。」
井関「いま『二年生の途中で~』とか、『三年生で~』っていうので焦っている子達は、私は元々頭が良くなかったので、人以上の努力を自分で設定して自分でこなして、誰かと比べてみて『あ、自分はここが負けている』とか思って、自分で自分を分析したりっていうのをしてたんですよ。そういうことができたらいいんじゃないかなって。ちょっと難しいとは思うんですけど(笑)そういうのでやる気も出ると思うので。」
塩崎「そんな中学生いるんですね(笑)当時の僕は何も考えてなかったです(笑)」
井関「私は結構、競争心が強かったのかなって。心配性でもあったんですけど。なんかでも、そういう自分の長所や短所をうまく自分のやる気につなげられたら一番いいんじゃないかなって。」
塩崎「もし井関さんと同じように、ずっと頑張ってきたのにプツンときれちゃった子がいたとしたら、井関さんならどう声をかけますか?」
井関「そうですね、私は声をかけるというよりは・・・。(たとえば)大学生になってもやっぱり勉強はしなくちゃいけないじゃないですか。私は今もプツンってなるとき結構あるんですよ(笑)そういうときは、例えばネットで『中学校 勉強』とかで検索してみたら、勉強方法とか色々と出てくるんです。私の場合はそういうのを見るとメラメラ燃えてくるタイプなんで(笑)それに、ああいうのを書いてる人たちって、たぶんやる気を出させるように工夫してると思うんです。そういうのを勉強の休みとかに一回見てみてもいいんじゃないかなって。」
塩崎「なるほど。色んな人の話だとか、外界にちょっと目を向けて。」
井関「とか、オープンスクールに行ってみるのもいいと思いますし。」
塩崎「中々ね、こう、何かに没頭しすぎて視野が狭くなっていくと、どこかでプツンと切れてしまったりだとか、『今まで頑張ってきたし、もう十分頑張ったな』ってなっちゃうときってありますもんね。」
井関「ありますね(笑)私は『勉強勉強』ばっかで、オープンスクールとかあんまり行かなくて、(大学入試の時は)オープンキャンパスも行かなかったんですよ。そういうのはダメだったかなって思います。外に出るのは大事かなって。」
塩崎「でもそれほどストイックに勉強できるっていうのは素晴らしいことですよね。だって中学生とかって、ようは『何で勉強せなあかんの』っていう。」
井関「ありますね。『英語ってなんでせなあかんの』とか(笑)」
塩崎「まぁ僕も当時言ってましたけど、それが今は言われる立場に立って(笑)」
井関「(笑)」
塩崎「中々面白いことではあるんですけどね。でも井関さんはそんな中でもストイックに勉強できたっていう。なんでなんでしょう。」
井関「私はいま振り返って思うのは、心配性と競争心かなって。それがない子にとってはなんのアドバイスにもならないかもしれないんですけど。でも中学校の勉強までは五感をひたすら動かしたらある程度は絶対伸びると思うんですよ。私は五教科の中で理科と数学がすっごい苦手で、できなくて。でも、できないなりにもずっと、ひたすら手を動かして公式を覚えて。そしたらある程度は苦手なりにも伸びたかなって。」
塩崎「実際どれぐらい勉強してました?」
井関「一・二年生のときはクラブも忙しかったんで。一日一時間は頑張ってキープしましたけど、二・三時間とかは絶対いってなかったです。でもそれを毎日してたので。週一日だけとかじゃ、やっぱり全然足りないと思うんですよ。一時間でも毎日やれば、十分な時間が取れるんじゃないかなと。」
塩崎「高校生活はどうでしたか?」
井関「高校はちょっと後悔があります(笑)まずは部活に入らなかったのが一つ。卒業してからも部活で集まったりとかあるじゃないですか。そういうのを見てたら寂しくなるんです(笑)なんで部活は入ったほうがいいと思いますね。あとは、これはずっと後悔してるんですけど、高校のときに恋愛しておけばよかったなっていう(笑)」
塩崎「ほほう。してなかったんですか(笑)」
井関「してなかったんです(笑)だから塾でも生徒の恋愛話とか聞くと『いいなぁ』って思います(笑)」
塩崎「女性らしい意見を有難うございます(笑)でもたしかに。僕ら塾なんで、勉強の話はもちろんしますけれど、でもそれが全てではない。部活もそうだけれど、あんな青春できるのは人生でも学生の間だけですしね。学生の頃の恋愛も、大人になってからのそれとは違いますし。」
井関「違いますね(笑)」
塩崎「それもしながら勉強を(笑)」
井関「はい(笑)でも高校ではあまり勉強できなかったです。ついていくのが大変で。中学までは塾で与えられたものをして、それをこなせば決められた道の上を歩いていけるっていうところがあったんですけど。高校で一回塾も辞めて、自分自身でやっていくことになって。今まで通りやってたつもりなんですけど、理由は今でもわからないんですけど、なぜかうまくいかなかったなっていう。」
塩崎「高校・大学にもなると勉強の内容も授業のスタイルも勉強の仕方も変わっていきますしね。」
井関「やっぱり難しくなってきますね、高校の勉強は。」
塩崎「大手前だったら先生もそんなにこう、フォローしてくれるっていう感じでもないんじゃないですか?」
井関「ないですね。」
塩崎「難しいですね(笑)」
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「でもさっきの話じゃないですけど、私が学生のときはそういう先生に対して『啓かれていた』かなって思うんですけど、でも閉じてる生徒も中にはいて。『なんでそんないわれなあかんの』っていう子も友達の中にもいましたし。でも教える立場に立って、それは生徒が『啓かないから悪いんだ』って言えることではないと思うので。そういう生徒にも柔軟に対応していきたいなって思います。」
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塩崎「塾講師をしたいなと思われた理由は?」
井関「私にとって、小・中学生の頃の勉強が人生で一番思い出があったので。その年頃の子達をサポートできたらいいなってずっと思っていて。」
塩崎「実際に教えてみてどうでしょう。」
井関「やっぱりコミュニケーションって難しいなって凄い感じましたね。人はそれぞれ色んなタイプがあるなって。何も塾に限ったことではなくて、社会のどこにでもあることなんですけど、でも相手が自分よりも凄く年下の子達でも、やっぱりコミュニケーションって難しいんだなって。」
塩崎「ホントにそれは。教えるっていう仕事ではありますけど、僕らも教わることが多いですよね。日々勉強になります。(仕事は)楽しんでいただけていますか?」
井関「楽しんでます(笑)」
塩崎「大学は立命館の経営学部ということで。大学に興味がある生徒もいると思いますので、入学の経緯を教えていただけますでしょうか。」
井関「さっきも話したんですけど、私はオープンキャンパスにぜんぜん行かなくて、唯一近いからということで行ったのが大阪市立大学だったんですけど。まだ高校生だったので、『学問』っていうのが調べても調べてもイメージつかなくて。経済学とか文学とかってどういうことするんだろう、実際に役に立つのかなって、色々考えて考えて。私は趣味としては文学部にいきたいなっていうのがあったんですけど、周りや親からもアドバイスをもらったりして、『(将来的に)それはどうなの?』って。卒業してからも自分の利益になるような学問ってなんだろうって考えた結果、商学部っていずれ私も社会人として働くことになるし、勉強するのにいいかもしれないと思って。」
塩崎「なるほど。」
井関「実際にオープンキャンパスでも商学部で体験授業を受けたりして、凄く楽しかったんです。マーケティングの授業だったんですけど、それが凄い印象に残っていて。それからどこの大学にしても商学部・経営学部を受けることにしたんです。立命館は正直に言うといきたい大学ではなかったんですけど、選択肢の中でっていうので。最終的になんで立命に行くことになったかっていうと、最後に学校決めるときに、大学のHPを色々と見たりしたんですけど、立命館が一番なんというか、心を揺さぶられたというか、行きたいなって思わせられたというか。ゆったら商業的にうまいなって(笑)それでちょっとでも『行きたいな』って思えたんで、一年(浪人して)頑張るっていう選択肢もあったんですけど、『行こう』っていう気になって選びました。」
塩崎「この前のインタビューで樫山君とも話したんだけれど、一つ一つの受験って違うじゃないですか。大学受験ってまた高校受験とは違うところがあって。本当に行きたいところがあれば二年三年と頑張ることもできる。大学や学部の選択でも、人それぞれ琴線に触れるところが違う。本当に自分がやりたいことをって思う人は文学部にだって行くだろうし。実際に経営を学んでみてどうですか?」
井関「面白いですね。でも大学って先生によるなっていうか。学問自体は面白いけど、というのもあって。」
塩崎「まぁそうですね。大学の先生方は教えることのプロというよりは学問のプロですからね。」
井関「小中高までってこう、先生は生徒に歩み寄ってきてくれるものだと思っていたので。でも大学はそうじゃない。そのギャップに驚いて、実は私の祖父は大学の教授をしているんですけど、おじいちゃんに『そんなものなの?』って相談したりとかしてましたね(笑)」
塩崎「なるほどね。それはあるかもしれないですね。」
井関「でもおじいちゃんはおじいちゃんで、『大学の先生は研究が仕事だから』っていう。」
塩崎「そうなんですよね、実は。まぁ大学にもよるんでしょうけど。学力的な部分でも変わってくるでしょうし、資格をとることを目標をするような大学さんもたくさんありますし。」
井関「そうですね。」
塩崎「ただ、余談が入りますけど、僕が敬愛している内田樹さんという、神戸女学院で教鞭に立ってらした思想家の方がいるんですが。先生が仰っていたことで、『学ぶ』という事は実は『学ぶ側の仕事』なんだと。学びたいという人がいて、教えたいという人がいる。双方の共同作業によって学ぶ・教育という作業は初めて行なわれる。だから生徒が学ぶための努力や姿勢、ようは『啓かれている』ことが必要となると。どれだけいいことを教えても、どれだけいい話をしても、生徒が啓かれていなければ学びは達成されない。そういうことを仰っている。大学というのは、おそらくそれが顕著に現れる場所なのかもしれませんね。」
井関「あらわれてますね。」
塩崎「高校まではゆうてね、(高校までが)義務教育みたいなところにもなってきていて。さっきの話じゃないですけど、先生のほうから歩み寄ってくれる。でも大学ぐらいになると、先生方も研究が本来の仕事であるし、ある種の一方的な授業になったりもする。ただ『当たり』の先生って(授業が)すっごい面白いでしょう?」
井関「面白いですね(笑)」
塩崎「生徒の興味をひきつけるというのは、僕らも教える側としては怠ってはいけないところではあると思うんですが、僕は大学で感じた事は、勉強するって言うのはやはり生徒の仕事なんだなと。僕の話になって申し訳ないんですけど(笑)うちの大学の卒業式でね、校長が話してらして。まぁ聞いていたんですけど、周りが凄くガヤガヤしてうるさくて。『卒業式ぐらい聞いとけよ』って思ってたんですけど。その中で校長が、僕らの教室にも貼ってある、また僕の教育テーマでもある、『学則不固』(学べばすなわち固(こ)ならず)という言葉を交えて、非常に興味深い話を紹介してらした。でもたぶん聞いていたのは僕を含め一割ぐらいだったんじゃないかなって。それを見て、やっぱり学ぶのは生徒の仕事なんだなと。どれだけいいことを学ぶチャンスがあってもね。それを生かすも逃すのも。」
井関「そうですね。それは大学で実感しました。」
塩崎「まぁそれでもたしかに、興味をひきつける喋り方っていうのは大事ではあるんですけどね。(話の)中身は面白かったけれど、その校長も話し方が眠くなる感じでダメだった(笑)どうでしょう、学ぶ側、教える側の両方に立ってみて、井関さんはどんな先生でありたいと思いますか?」
井関「難しいですね(笑)生徒にもよると思うんですけど・・・。私が生徒だったときは、厳しくも優しく教えてくれる、やっていなかったときや怠けていたときには厳しく叱ってくれる、そういう先生に憧れていたというか、『こういう先生についていきたいな』っていうのが中学生ながらあって。なのでそういう先生になれたらいいなと思ってるんですけど、なれてないなっていう(笑)これからなっていきたいと思います(笑)
塩崎「いえいえ(笑)それはホントに大事なことで。」
井関「でもさっきの話じゃないですけど、私が学生のときはそういう先生に対して『啓かれていた』かなって思うんですけど、でも閉じてる生徒も中にはいて。『なんでそんないわれなあかんの』っていう子も友達の中にもいましたし。でも教える立場に立って、それは生徒が『啓かないから悪いんだ』って言えることではないと思うので。そういう生徒にも柔軟に対応していきたいなって思います。」
塩崎「たしかに。難しいんですけどね。僕にとっての課題でもあるところです。ようは、生徒にとって『気のええ兄ちゃん』でいることは凄く簡単なんですよね。当たり障りない存在でいる事は簡単なんです。でもそういうのって生徒たちが大人になったときにバレちゃうもので。『あの兄ちゃんたいしたことなかったな』って、わかるんですよ。ホントに。だから僕らっていうのは、今若い彼らに教えているわけですけど、もっと先を見て接してあげないといけないのかなっていう。彼らが僕らぐらいの年になったときに、『あの兄ちゃんだるいときもあったけど、あの姉ちゃんこんなとこウザかったけど、でもああいうこと言ってくれてよかったな、今やったらわかるわ。』って言われるような先生になりたいですよね。」
井関「なりたいですね。」
塩崎「かといって今嫌われたいかっていったらそんなことないんですけどね(笑)」
井関「(笑)」
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「もともと私は勉強できなくて、凄い悩んで、悩んだところから始まったのが勉強との付き合いなんです。でも、『できなくても繰り返すこと』って凄く大事だなって。わからなくても、とりあえずその問題の式を書いて、答えを書いてって何回も何回もしてたら、なんかわかってくるんですよ。」
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塩崎「是非聞いときたかったんですけど、今度留学するということで。なぜ留学を?」
井関「私は経営学部なんですけど、コースが国際経営学科というところで。入学したときから結構、『留学いけよ』みたいな話をされたりとか(笑)凄く身近に(留学のことを)聞く機会があって、英語の授業も週に7コマぐらい一回生のときはあったんです。ホントに毎日々々英語みたいな。でも一回生のときは結構、色々と葛藤しました。(立命館には)ちょっと入りたいなとは思ったけど・・・。私立大学なんで、色んな人がいるじゃないですか。内部で来た人もいれば、一般入試で来た人もいれば、推薦で来た人もいる。来たくてきた人もいれば、そうじゃない人もいる。そのギャップが激しくて、はじめ『私はどっちなんかな』って。(そういう人の)中には『(違う大学への)編入試験受けようよ』っていう人もいたんですけど、でもなんか違うなって。『私はここで、この場所で何か見つけないといけないな』って思って。そこから『まず国際学科なんだから』っていうので、留学を考えようって。それがきっかけでしたね。」
塩崎「そうしてまた自分の力を試すというか、新たな環境に進んで身を投げ込むというか。あれですね、今日話を聞いていて思いましたけど、井関さんは自分を痛めつけるのが好きなんですね(笑)」
井関「それは親にも言われました(笑)凄く話が飛ぶんですけどいいですか?(笑)」
塩崎「いいですよ(笑)」
井関「わたし運動音痴だって言ったじゃないですか。小学生の頃、学童に入っていたんですけど、自分より年下の子が、休み時間に校庭に出て逆上がりしたり一輪車にのって遊んだりしているのを見て、凄く悔しくて。『私にできないことを自分より年下の子があんなに楽しそうにやってる』っていう(笑)なんで、夏休みに毎朝おじいちゃんと公園に行って逆上がりの練習をしたりとか(笑)その経験は自分の中でも自信になってます。あんなに頑張れる自分がいるんだなっていう。なので、自分を追い込むの好きですね、私は(笑)」
塩崎「中々いないですよね、そういう子。何事にも冷めた生徒とかいるじゃないですか。」
井関「いますね(笑)それが悪いわけじゃないですけど。」
塩崎「自分に自信を持てないというか、負けてもそれで終わりみたいな。逃げちゃう子っている。実は僕もそういうタイプの子供だった。そういう生徒たちに向けて、井関さんから伝えたい気持ちって何かありますでしょうか。」
井関「これはインタビューがあるって知ってから『絶対言おう』って思っていたことなんですけど、もともと私は勉強できなくて、凄い悩んで、悩んだところから始まったのが勉強との付き合いなんです。でも、『できなくても繰り返すこと』って凄く大事だなって。わからなくても、とりあえずその問題の式を書いて、答えを書いてって何回も何回もしてたら、なんかわかってくるんですよ。生徒を見ていて思うのが、そういうのを繰り返さない子がちょっと多いなっていう。繰り返さずに諦めて、その場で逃げてしまっているかなって思うんですよ。そうじゃなくて、わからなくてもいいから、とりあえず始めに『繰り返すことを前提』として進んでいってくれたらなって。中学校までの勉強ならそれで上手くいくと思います。」
塩崎「たしかに。ようは、はじめから逆上がりできる人なんてね、まぁいるのかもしれないけど、稀で。こと勉強に関していえば、そういう子ってすぐ『いや先生は頭いいから』で片付けようとするんだけど。全然そんなことない(笑)」
井関「全然そんなことないです(笑)ほんとに(笑)」
塩崎「気持ちはわかるんですけど。」
井関「そういう子には、今言ったような気持ちを伝えたいですね。それに、これはあんまり言いたくはないんですけど、逃げたことって絶対返ってきますからね(笑)」
塩崎「ほんとにね(笑)」
井関「将来絶対に返ってくる。今はきっと、私も当時はそういうの言われるの嫌いだったのでわかるんですけど、『今を楽しみたい』っていう。その気持ちはわかるんですけど、でもホントに返ってきますから。私もそうやってサボった事は今返ってきてますし。」
塩崎「それはね。でかいですね。僕らはわかってるし、当然保護者の人たちもわかってらっしゃる。でも中々ね、生徒には。彼らの気持ちもわかるんですけど。」
井関「わかるんですけどね。」
塩崎「でもそれだけでもわかってほしいんです。僕もたまに面談でいうんですけど、『先生や親は僕らの気持ちわかってない』だとか、まぁそりゃ百パーセントわかっているわけじゃないかもしれない。でも、僕らもやっぱり同じように経験してきたことだし、君たちが知らないことも知っている。そんな僕らがいうことなんで、なんとなくでもそれっていうのは。気持ちだけでもわかってもらいたいところです。返ってきますからね。ほんとに。」
井関「いいものも悪いものも。」
塩崎「仰るとおりで。なかなかね、将来のためにっていうのは思えない年頃でしょうけど。」
井関「思えないでしょうね(笑)」
塩崎「永遠に十代だと思ってますからね(笑)」
井関「(笑)」
塩崎「でも今日の話でいいなって思ったのは、外界に目を向けるというか。オープンキャンパスであったり、そういうのもいいなと。」
井関「あと、前の南野先生のインタビューともかぶる部分もあるんですけど、何か一つ、勉強以外のことでもいいので、何か一つ『頑張れること』を頑張ってみてほしいですね。それが自信になりますし。」
塩崎「最後に生徒たちへメッセージをお願いします。」
井関「私が皆さんを見ていて『羨ましいな』って思うのは恋愛のことなので、恋愛してる子は更に楽しんでください(笑)勉強で悩んでいる子は、勉強で悩んでいるからといって、必ずしも勉強で頑張らないといけない、ということはないと思うんです。何か他のことでも構わないので、ちょっと息抜きでやってみてもいいんじゃないかなって思います。」
塩崎「そうですね。勉強も大事ですが、それ以外も含めてね。僕たちもサポートできるように。他に無いですか?言い足りない事は(笑)」
井関「何かある気がします(笑)逆に何か聞きたいことありますか?(笑)」
塩崎「いやーでも井関さんがこんなにストイックな方だとは思ってなかったです(笑)何故なんでしょう(笑)」
井関「母親が結構けしかけるタイプだったので、それが悔しかったのが(笑)なので『悔しい』っていう気持ちを大切にしてもらえれば。」
塩崎「なるほど。いや、良い話を聞けました。井関さん、今日は一時間もお付き合いいただいて、どうもありがとうございました!」
井関「ほんとですか?(笑)ありがとうございました。」
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今回の井関さんとのインタビューでは、自分が中学生だった頃の体たらくぶりを改めて思い知らされました(笑)やってる人はこんなにもやってるんだなって。そこでのがんばりがやっぱり差となってあらわれていくんだなって。
自分で『勉強ができない』ということをわかったうえで、その向き合いたくないはずである事実を自ら認め、進んでぶつかり、それに全身全霊で取り組んできた、そうやってストイックに自分を律して何かに取り組むというのは、誰にでもできることではないかもしれません。でも、それを続けてきた井関先生からは、僕も皆さんも学ぶことがあったのではないかと思います。
そんな井関先生は上記のとおり、カナダへの留学で九月から半年ほどお休みとなってしまいます。でもきっと半年後には、更に成長した井関先生をみることができるのではないかと、僕は秘かに期待しております(笑)
井関先生、今回はどうもありがとうございました。
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