「いわゆる十分に力を出す者に限って、おのれに十二分の力があり、十二分の力を出した者がおのれに十五分の力あることがわかってくる。」 新渡戸稲造
皆さんこんにちは、個別指導Wam 庄内校の塩崎です。上の言葉は、僕が最も好きな名言の一つです。僕は皆さんと同じ年の頃、何かに思い切り、全身全霊で取り組むのが怖かった。勉強でも、当時やっていた野球でも。なんでって、もし思い切り本気で何かをやってしまったら、自分の限界を知ってしまいそうだったから。
もし物凄く勉強しても成績が悪かったら。
もし一生懸命練習してもレギュラーになれなかったら。
それって、「才能がない」ってことになっちゃうじゃないですか。若かりし少年の短絡的な思考では。そこに行き着いちゃう。それが物凄く怖かった。だから何事も本気では取り組まなかった。成績が悪くても、試合に出られなくても、「まぁやってないからな。」って。それが言い訳になるから。だから周りにも「俺ぜんぜん勉強も練習もしてないぜ」アピールをしてました。あのよくある、「全然勉強してない自慢」みたいなね。
でも心のどこかで「自分はやったらきっとできるはず」とだけ信じ続けていました。でも知りたくなかった。知るのが怖かったから。「もしできなかったら・・・。」そう考えるだけで何かに打ち込むことを躊躇して。中学生とかって、これは生徒を見てとかじゃなく自分の頃のことを思い出しての感想なんですけど、なんかこう、頑張っている人に冷たい視線を送っちゃうとこあるじゃないですか。
「なんだよあいつ、そんなガチになっちゃって。あほらし。」
みたいなね。
当時の僕みたいな人間からしたら、他のやつに一生懸命になられたら困るんですよ。いやいや、もっと気楽に行こうぜみたいな。だってそのときの僕は、本気で何かに取り組みたくないけれど、でも悪い点を成績を取りたいわけじゃないですから。自分はできるはずであることは信じていたいし。そんなときに一番有効なのは、「周りの点数を下げる」ことなんです。「自分の仲間を作る」ことなんです。そうすると自分のできなさをカモフラージュできる。「自分だけじゃないや」って安心できる。そういう心理的バイアスは必ずかかるです。絶対かかる。
何でそんな風に思ったって、今振り返ると、やっぱり弱かったからなんでしょうね。あの年頃の自分は、とても脆くて危うかった。周りに取り残されるのが怖くて、でも一生懸命になるのも怖くて。何もかもが怖いから、何もかもを投げ出した。でもね。高校生になって、年を重ねるにつれて、色んな経験をして、ちょっとずつ「勇気」みたいなのをもちだして。なんというか、本気を出すことの恐怖よりも、それはあったけれど、でも「実際のとこ本気になったら自分はどんなもんなんだろう」っていう好奇心のほうが強くなって。
だから、本気でやってみたんです。「こんなやつになりたいな」っていうぼんやりした理想に向かって、がむしゃらにやってみた。
そしたらね。ホントに。新渡戸稲造さんの仰る通りなんですよ。
なにって、「いや無理だろ」って思っていたようなことが、実は案外スッとできるようになっちゃったりしちゃう。複数形と単数形もろくに理解できないまま、三単現のSもろくに使いこなせないまま、不定詞と動名詞の存在も知らないまま留学を経験し、何がなんだかさっぱりわからない授業に出席し、何をすればいいかすら理解できないまま課題に取り組み、何を言っているのかちんぷんかんぷんなまま人々と会話し。がむしゃらに勉強して。帰国後も人が変わったかのように勉強して。そしていつの間にか、どういうわけか、こうして皆さんに英語を教えられるまでになった。
出発前の授業で「卒業までにはTOEIC700点を目指そう」とか大学の先生に言われてたんですけど、「んなむちゃな・・・」って感じでした。400点ぐらいしかなかったですからねそんとき。でも留学から1年後の大学二年生の冬には自分でもよくわからないうちに800点を超えていて。そのとき思いましたもん。
「なんだ、案外たいしたことないんだな」って。
それは皮肉とかじゃなくて、もっとさっぱりした。
だって、当時の僕はよーくわかっていたからです。自分はまだまだ英語を使いこなせていないことも、まだまだ知らないことがたくさんあることも。でもそれでもこれぐらい点数を取れるようになるって事は、ようはね。「なんだ、『そんな無茶な』って思っていたことも、本気で取り組んだら案外できちゃうもんなんだな」っていう。そういうのなんです。
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思い過ごしかもしれないけれど、生徒の皆を見ているときに、ふと当時の自分を思い出すようなことがあります。例えば授業中に喋っちゃったり、怠けちゃったり、やる気がなかったり、投げ出しちゃったり、しちゃうこともありますよね。その理由が何かまでは、僕にはわからないけれど。
全部が全部そうではないかもしれないけれど。
でも、もし当時の僕みたいなことならさ。
「本気になるのも、取り残されるのも怖い」っていう。
それなら僕は、断言してあげたいんです。
いわゆる十分に力を出してみれば。
それが怖い気持ちを振り払って。
いわゆる十五分に力を出してみれば。
それを周りに冷やかされたって。
いわゆる君が「ガチ」で何かをやってみれば。
君は、君が思っている以上に「凄い」ことに気がつくのです。
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