教室ブログ

2015.02.18

継続は力なり~:”Rise and Grind”

 

『心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる』

 

ヒンデゥー教の経典に記載されているだとか、ウィリアムズ・ジェームズというアメリカの哲学者が残した言葉だとか、出典には諸説あるようですが、とにかく素晴らしい言葉だなぁと思います。

 

何事にもまずは心からなんでしょうね。気持ちというか。自ら決心し、決意し、歩みださない限りは、何も始まらないんだと。それに「心」という最初のステップを踏まずに習慣や人格を変えようとしても、やっぱりうまくいかない。変わりたいっていうのは、誰しもが持っている欲望の一つだと思います。変わりたいってことは、現状が嫌だってことです。自己嫌悪だとか、あるじゃないですか、そういうの。

 

僕も大学二年生ぐらいまでは自分のことが大嫌いで、自分を取り巻く環境も、自分が置かれている状況も、何もかもが疎ましくて仕方なかった。めんどいとかだるいとかどうせ無理とか、そういうのが口癖で、失敗を恐れて挑戦もせず、楽なほう楽なほうに人生を歩んできて、気づいたときには虚無感しかなかった。「こんな人生おもしろくもなんともないわ」って。

変わりたいって思えたのは、ある友人との出会いがきっかけでした。彼はとてもまぶしくて、自信に満ちていて、カリスマ的存在で。彼に影響を受けて、1年ぐらい馬鹿みたいに自己啓発に没頭して(今思えば恥ずかしい限りなんですが)、色んな経験をして、大学を変えて、口にする言葉を変えて、考え方を変えて。今思えばほんとに、痛いなぁってこともたくさんあるんですけど(笑)

 

そんなときに出会った言葉の一つが、最初に紹介したものです。あのクレイジーなぐらい自分を変えようと迷走していたときに比べて(座禅くんで瞑想したり、ノートいっぱいに「有難う」って書いたり、目標を紙に書いて部屋に張り出したりしてました。若いって怖いですね。)今は肩の力も抜けて、あーあったねそんな時期って感じですけど、それでもなんかこう、そんな経験もしといてよかったなって思いますし、そうすることでこの言葉に出会えたのかなって。

 

留学もして、大学も変えて、なんか色んなことにチャレンジしましたけど、結局のところ、自分が変わらないと一緒なんですよ。環境を変えたところで、最初は刺激的でいいですけど、そういうのって結局は自分についてくる。自分が「そういう」人間である限り、何回変えても結局は「そういう」環境になっていく。どんな自分になりたいとか、そういうのって難しいけど、もし今の自分を変えたいって思うなら、そして心に火がつけば、右往左往、迷走奔走しながらも少しずつ色んなことがついてくるんだと。心が変わって、態度が変わって、行動が変わって、習慣が変わって・・・。自分の経験を振り返っても、そう思います。

 

同時に、心に火をつけるのってとても難しい。振り返れば、あの時のあの経験が心に火がついた瞬間だったんだなぁとか思えるんですけど、当時は別に、なんかこう、スイッチが入った感じはしたかもしれないけど、確信めいたものはもちろんなかった。ああいうのってタイムラグがあると思うんです。だから、どんな経験がどのように、どのぐらい後に心に火をつけるかは、本人も周りの人もさっぱり分からない。

 

どれだけ小さい火でも、灯ってさえいれば、誰かがそれを大きく成長させてあげることは比較的たやすいんじゃないかなと思うんです。でも、火をつけることができるのは自分自身しかいない。優れたコーチは才能を発掘して一流選手に育て上げることは出来るけど、本人が「いや僕は株で食っていくんで」って言うならもうコーチからしちゃどうしよもない。

 

結局は本人のやる気次第ってよく言いますけど、とどのつまりそういうことなんだと思います。それを理解した上で、火がつくきっかけを提供して、ついた火を育てて、消えないように守ってあげるのが僕たち教育者(というか大人)の務めなのかなと。何がきっかけになるのかなんて予測不能なんですけど、それでも”worth a try”なことはトライし続ける。そうすべきなんだと思います。首をながーくしてね。

 

最初に紹介した言葉が伝えてくれるもう一つの大事な教訓は、「継続する力」じゃないでしょうか。良い習慣も悪い習慣も、全ては継続された結果ですよね。ほんの些細なことでも、それが積み重なれば素晴らしい成果にも酷い結果にも繋がる。心が変わったって、パッと火が燃え上がったって、一気に人生が変わるわけじゃない。一つずつじれったいように段階を踏んでいかないといけないし、そのたびに何かしらのチャレンジがある。そう簡単にドミノ倒しで全てがうまくいくわけじゃないんですね。残念ながら。

 

一時期がんばることは沢山あると思うんです。でもそれを継続することこそが本当に大事なことで。難しいですけど。だからパッと燃え上がった火が、時にはしぼんでしまうことはあるだろうけど、でも決して消えないように。一瞬だけ燃え上がるんじゃなくて、いつまでも燃え続けることこそが、事を成す上で最も大切なんだと思います。

 

僕の好きな言葉に、”rise and grind”という言葉があります。中々ピタッとくる和訳はないんですが、ようは「よっしゃ今日もやったるぜ」的な言葉です。“rise”は単に起きるって意味です。大事なのは”grind”のほうで。”grind”はもともとは(豆とかを)ひくだとか、細かく砕くだとかそういう意味があって、転じてこつこつだとか一生懸命に何かをするという言葉でもあります。つまり”rise and grind”というのは、朝起きて今日も勉強なり仕事なり何なりを頑張るぜ!って意味なんです。

 

なぜ僕がこの言葉、とくに“grind”という単語が好きかというと、グラインドには上記のような、コツコツだとか骨を折って何かに打ち込むという意味があるからです。それどころか、つまらなくて単調な(仕事)だとか、苦しめるだとかっていう意味すらある。つまり、この言葉は単なる「頑張ろうぜ!やったろうぜ!」っていうなんかこう、勢いだけの言葉じゃないんです。この言葉は、しんどいことも辛いことも退屈なことも苦しいことも想定した「やったるぜ」っていう言葉なんです。

 

この言葉ほど「継続して努力する大切さ」を伝えてくれる言葉はないと思う。それに、ちょっと大人な言葉だと思いません?だって”rise and grind”ですよ?「起きて(しんどいし辛いし退屈だしコツコツ一生懸命やっていかないといけないことだけど)がんばるぜ」って意味ですよ?凄い大人じゃないですか(笑)

 

僕が“rise and grind”という言葉に出会ったのは、あるアメリカンフットボールの選手がきっかけです。彼のモットーがこの言葉だったんですね。アメリカのスポーツ選手なんかはよくこの”grind”というワードを使っています。英語では仕事や日々の生活のことを”daily graind”と言ったりします。
仕事とか学校って、基本的にはいつも一緒で単調な生活じゃないですか。スポーツ選手の練習もそうでしょう。でも僕はそれが悪いことだとは思わない。毎日が365日変化する一年なんて、僕はごめんです。(疲れるでしょ、絶対。)日々同じ生活を送るっていうのは、一見するとネガティブに捉えられる言葉かもしれない。でもそれは、僕は凄く大切なことだと思う。だって365日、毎日大きな変化のある人生を送った人がいるとして。その人は365日のうち一日しか、たとえば、勉強しないとする。その人と、365日いっさい欠かさず勉強する人との差がどれぐらいでるかなんて、一目するまでもなく瞭然でしょう?(そんな日本語あるのかな)

 

十八世紀の哲学者であるイマニュエル・カントは、その異常なまでのルーティンワークで有名だったといいます。なんでも、カントはいつも同じ時間に散歩する為、ケーニヒスベルクの人々は、彼が通るのを見て時計の狂いを正したそうです。

ルーティンの遵守の良いところは、普段の生活にスタンダードを設けることで、些細な違い、微妙な違いに気がつけるということです。これって凄く大切なんです。同じことをしているからこそ、微妙な差に違和感を覚えることが出来る。たとえば体調にしてもそうだし、成長や衰退にしてもそうです。前まで難しいと感じていた問題がスラスラ解けるようになったり、前まで平気だった運動でしんどさを感じたり。

 

その微妙な差によって閃きや工夫や調整が生まれる。もしかしてこうしたほうがもっと効率的に仕事が出来るんじゃないかなとか、もうこれは自分には簡単すぎるからもう少しハードにしようとか、そういうの。

 

たとえばスランプってあるじゃないですか。あれって、当たり前のようにできるはずのことが不調によってできなくなるって意味かなって思われるでしょうけど、違うんです。スランプっていうのは、「自分には出来るはずがないのに何故か当たり前のように出来ていたことができなくなる」ことなんです。

 

そういうのって、ルーティンワークを大切にしていればしているほど気づけることで。自分に出来ること、出来ないこと、出来るはずのないのに出来ていたこと、そういうのがわかる。それを理解できていれば、より「誤った判断を下す確立」が低くなる。これって凄く大切なことなんです。誤った判断を下すって事は、それだけ死ぬ確立が高くなるってことですからね。ほんとに。

 

単純に、自分には出来るはずがないことが何故か当たり前のように出来てしまうという経験に偶然遭遇した人というのは、それが自分の実力だと勘違いしてしまう。そうすると、その人がその後に下すであろう判断というのは、その偶然と実力との乖離が激しければ激しいほど誤ったものになる。継続してコツコツやってきた人っていうのは、それが単に「好調なだけ」ということを冷静に判断できるから、「いま自分は好調だけど、それは一時的なものなんだ」という前提のもとで行動できる。

 

統計学みたいなもんです。統計元となる数字がより信頼できて、長期にわたっていて、安定しているものであればあるほど、その統計が導き出す結論は、そうでないものよりも信頼できる。

 

継続は力なりって言うじゃないですか。今まで色んな偉人だったりが同じようなことを言ってきた。努力だとか、継続することの大切さだったりとか。それって単純に暑苦しい熱血論じゃないんですよ。これまで紹介してきたみたいに、凄く理にかなっていて賢い生き方なんです。

 

皆さんの”daily grind”である学校や部活や塾っていうのは、言葉通り、決して楽なものではなく、むしろしんどいし辛いしコツコツと一生懸命やっていかないといけない退屈なものかもしれない。もちろん、楽しんでもらうことも大切だし、実際にそう思っている子もいると思う。でも、それでも絶対しんどいことってあるじゃないですか。部活は好きだけど、やっぱりしんどい練習はあるだろうし、勉強は好きだけど、辛くて投げ出したくなることもあると思う。だって終わりがないですから。いくら練習しても、勉強しても、仕事しても、そこに終わりはない。どれだけやっても、まだまだできることがある。

 

That’s why we call it “daily grind”なんです。そういうものなんです。それを”keep on grinding”、グラインドし続けた人こそが、目標だったり、夢だったり、偉業だったり、そういうのを達成できるんだろうなと。

 

 

 

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「そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し。 でも、僕は子供のころから、 目標を持って努力するのが好きなんです。だってその努力が結果として出るのは、うれしいじゃないですか。」 イチロー

 

 

 

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生徒の皆さん、私立入試お疲れ様でした。うちの生徒はお蔭様で全員合格してくれました。本当におめでとう。これから公立入試もあります。入試が終わっても、高校に入って、もしかしたら大学にも入って、就職して。

 

皆さんには無限大の可能性があります。皆さんの”daily grind”はいつまでも続きます。
今この瞬間も、まだまだ通過点の一つに過ぎません。

 

僕が言うよりも説得力がありますので、最後はもう一度この人に登場してもらいましょう。

 

 

 

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「小さなことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道だと思う。」

イチロー

 

 

 

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【準備・努力・継続】イチローの名言集
http://matome.naver.jp/odai/21372324904251198

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