こんにちは、庄内校の塩崎です。20日から教室では冬期講習が始まっていますが、学校も冬休みに入ったということで、いよいよ教室も本格的な講習モードに入ってきました。生徒たちは普段以上のやる気と集中力で授業に取り組んでくれていますし、先生たちも「この講習を何とか生徒たちの成果に結び付けよう」と熱い気持ちを持って指導に当たってくれています。そんな熱気にあふれたWam庄内校から、前回に引き続きまして、講師インタビュー・シリーズ第二弾をお届けしたいと思います。
今回のお相手は(実は?)マルチな才能を併せ持つ南野先生です。南野講師は大阪教育大学で技術の教員免許を取得しておられ、将来は中学校で先生をなさるという正に「ザ・先生」。庄内校でも大学や実習で培ってこられた経験・知識を存分に発揮してくれています。
今日はそんな南野先生に時間を割いていただき、中学・高校時代、大阪教育大学のお話や、先生になられた理由、教育への熱い思いを語っていただきました。
*********************************************
塩崎「それではまず、地元について教えてください。」
南野「地元は大阪の池田市なんですけども、落語の町ということで落語が盛んですね。あとチキンラーメンが一応名物ということで押しているんですけれども(笑)」
塩崎「庄内と比べてどうですか?」
南野「駅前は庄内もあれですけど、池田のほうが割と広範囲に栄えてるかなと(笑)飲み屋には困りません(笑)」
塩崎「池田のどこというところまでは伏せますけど、僕にとっても馴染み深いあの辺りね(笑)小学校のころはどんな生徒でしたか?」
南野「それはもう授業はしっかり聞いて、休み時間は外にドッヂボールしにいって、チャイムが鳴ったら直ぐに帰ってきて(笑)」
塩崎「(笑)」
南野「っていうのを小学4年生までやっていたんですけども、5年生のころに学級崩壊気味になりまして・・・。」
塩崎「学級崩壊ですか。うちの生徒からもたまに聞きますが・・・。ちなみにどんな?」
南野「クラスの女子が騒ぎ出して、まぁ先生と喧嘩ばかりしたり。先生もその子も出て行って、おそらく別室で話してるんだろうなとは思いながらも、先生帰ってこないですし。残されたほうは教室でドッヂボールみたいな(笑)」
塩崎「やはり勉強にならなかった?」
南野「ならなかったですね。」
塩崎「これから教員になられる上で、あるいは塾で教えていて、学級崩壊の経験から何か活かせることはありますか?」
南野「学級崩壊させてきた先生は、なんというか、生徒との距離感がわかっていなかったのかなと言いますか。近すぎたり離れすぎたり。その辺りは意識するようにしていますね。」
塩崎「なるほど、勉強になります(笑) 高校は早稲田摂陸で。」
南野「入ったときは摂陸高校だったんですけど、二年生のときに買取がありまして(笑)」
塩崎「この辺りからも行かれる生徒さんはいるかと思いますが、どんな学校でしたか?」
南野「部活動にとても力を入れていて、特に吹奏楽は段違いで。トップクラスに凄いです。男子はテニスがめちゃくちゃ強いですね。インハイなんかにもちょくちょく出てたり。ただ、部活に打ち込んできた生徒でも引退した後しっかり勉強して良い成績をとったりだとか、そういう切り替えができるといいますか。勉強だけ部活だけというのではなく、両方やっていくという学校でしたね。」
塩崎「勉強でもレベルの高い学校だとは思いますが、中学時代はやはり塾に通ってましたか?」
南野「そうですね、塾だけは頑張ってました(笑)冬期講習も朝から晩まで入ってたので。昔からあるこぢんまりとした個人塾だったんですが、結構アットホームな雰囲気で、居心地が良かったですね。先生との仲も良くて、兄も行っていたので家族ぐるみでという感じでした(笑)」
塩崎「アットホームというとWam庄内校の目指すところでもありますが(笑)共通点みたいなところは感じてくれてますか?」
南野「そうですね(笑)なかなか居心地がいいと言ってくれる生徒も多いので、塾はこういう雰囲気なのがいいなと。」
塩崎「大学は大教大(大阪教育大学)に進学されて。大教大を選ばれた理由というのは?」
南野「大教大自体はそんなに深く考えてなかったんですけど(笑)教育ってやっぱりおもしろいじゃないですか。何がどう面白いかっていうのは人それぞれあると思うんですけど、人に物を教えるって、他の仕事に比べて長いスパンで見ますよね。小学校で教えたことが中学校ですぐに役に立つとかもそうですし、中学で教えたことが一生役に立ったりすることもありますし。なかなか未来に向いてる、前を向いている良い仕事なんじゃないかなと。」
塩崎「確かに確かに。おっしゃる通りで、中学校で教えたことなんかが、勉強以外でもね。それこそ大人になってから「あ、なるほど」と思ってくれるようなこともあるだろうし。それではそもそも教員になりたいということで大教大に。」
南野「そうです。」
塩崎「教員になりたいと思ったのはいつごろ?」
南野「昔から物を教えるのが結構好きだったんですけど、高校とかでも部活で後輩に教えていくなかでこう、教えるには自分でもわかってないといけないじゃないですか。その中で自分でも物事を整理して考えていって。教える側も教えられる側もいいサイクルができていくというか。プラスとプラスの関係で。これは結構いい感じなんじゃないかなと(笑)なのでこれを職業にできればいいなと思いました。」
塩崎「この仕事ってほんとにこう、教える側も学ぶことが多いよね。」
南野「ほんとにもう。日々学ぶ、日々勉強です。」
************************************************
実際の体験を通して身につくことって僕の中では大きいんじゃないかなと。
*************************************************
塩崎「大教大はどんな学校でしたか?」
南野「自然豊かな大学で、学校の周りに建造物がないんですよ。山の上にボンとあって、敷地だけはあるんで、豊かな心が育まれます。ベンチで昼寝したりだとか(笑)時間の流れがゆっくり感じられるいい大学です。授業内容としてはかなり専門的なことを勉強できますし、一年のうちから実習に行く機会が多いんですが、そういうのも教育大以外はなかなかないでしょうし。学びたい人にはとてもいい大学ですね。」
塩崎「教員になりたい人にはおすすめ?」
南野「それはもう是非ぜひお勧めです。学部ももちろん全教科ありますしね。音楽も美術も体育も家庭科もありますし、もちろん技術も(笑)」
塩崎「大学入試の道のりを振り返ってどうでしょう。」
南野「理系だったんで、半分おもしろいなぁってなって、半分おもしろくないなぁと(笑)理系教科ってやっぱり解けば解くほど力が付くじゃないですか。それがおもしろいなぁと思ってサクサクッとやってたんですけど。暗記科目はなかなかめんどくさいなぁと(笑)」
塩崎「暗記のほうが楽というか、覚えるだけだからっていう見方もあるけど、やっぱり地道にやっていかないといけない。それに比べると理系科目は積み重ねという意味で。実は案外ね。最初は難しいかもしれないけど。」
南野「とっつきがね」
塩崎「回っていくとドンドン膨らんでいくよね。」
南野「英語なんかは、中学のときはほぼ完璧にやってたんですけど、高校に入ると覚えないといけない単語とか熟語とかが増えてきて。文の構造はわかるけど、言葉の意味が分からないことが多くなってきまして。これは勉強しないとアカンと(笑)」
塩崎「なるほど。そんな理系教科でというところで、なぜまた技術の先生に?」
南野「技術ね(笑)数学や理科もあったんですが、やっぱり抽象的なことが多い教科じゃないですか。理科は実験とかもありますけど、塩化ナトリウムや塩化水素がどうこうとかって、学生にはあんまりピンとこないと思うんですよ。技術はより身近な、木とか鉄とかアルミだとか。実際に見て触れて自分で工作してみて。そのうえでこう、重ねて考えの下地になっていくといいますか。」
塩崎「なるほど。」
南野「技術教育でよくいわれることは、『技能』と『技術』という二つの言葉があると。技能っていうのは昔の人たちが培ってきた知恵とかの事をいうんですね。たとえば石あるじゃないですか。石で狩りをするときに、そのまま石で殴ってもいいけど、石を石で割って尖らせたほうが狩りしやすい。っていうのが技能で培われてきたことなんですね。
じゃあ技術が何かというと、なんで尖った石のほうが狩りしやすいんだろうかというのを考えたんです。知恵の体系化といいますか。なんでかというと、尖った石のほうが圧力が集中するからっていう。そういうのって賢い人が考えるじゃないですか。現場の人は、いわゆる職人さんと言われるような人たちですけれど、「いやこれはこうだから」っていう感じで。この追いかけっこで人間はどんどん賢くなっていったんだよっていう考え方があるんです。」
塩崎「なるほど」
南野「でも今は科学技術が発展して、『技術』のほうがゴンゴンゴーンと先に行っちゃって。最近の子は外で遊んだりしないって言われるじゃないですか。体験が足りないだとか、ナイフの使い方がわからないだとか。なので今(教科としての)技術に注目が集まってきているんです。使ったことのないノコギリの使い方だとか。
ざっくりいうと、技術で数学や理科が生徒にとってよりとっつきやすくなる。そういう、実際の体験を通して身につくことって僕の中では大きいんじゃないかなと。それは音楽なんかにも言えることですけど。一つ一つの教科を見ていくときりがないですが、ようは『技術は体験学習』っていうことですね。」
塩崎「たしかにそういう意味では、副教科ってちょっと蔑ろにされがちな気もするけど、凄く大切ですね。卒業しちゃうとなかなか笛吹いたりだとか、跳び箱したりだなんて機会もないし、実際に家では包丁を使うことがないような子もたくさんいるだろうし。」
南野「僕は小さいころからホームセンターが大好きだったんで(笑)最近はそんな子も減ってきているのかなと。ホームセンターに行ったらなんでもできそうな気がするみたいな、きっと共感してくれるお父さんはいるかと思います(笑)」
塩崎「そういう道に進んでいきたいっていう子がでてきたら、最近は工業高校なんかは少し下火になってきた感はあるけれど、改めて自分の進む道を探していく中で、技術は凄く大事な教科になってきますね。」
南野「そうですね。」
塩崎「いい話出てきたね(笑)」
南野「それっぽいことも言えるんです(笑)」
******************************************************************
親からもいつも言われてたんですよ。勉強以外でも何でもいいから、とりあえず何か一つ、学校で一番を持てと。
*******************************************************************
塩崎「実習だったり大学だったりで教育の経験を積んできてらっしゃると思いますけど、塾で教えてみて、学校との違いってどういうところに感じてますか?」
南野「そうですね、進度の差があんまり気にならないところですかね。特に個別指導っていうのは生徒に合わせた授業を展開できるっていう素晴らしいシステムなんじゃないかなと思いますね。」
塩崎「学校ではそういうのはやっぱり難しい?」
南野「難しいですね。学校の授業が合わないっていう子は絶対出てきますし。わかってるんだけどちょっと、もうちょっとこれ聴きたいなっていう子が聞けなかったりする。(聞きにくい)雰囲気もありますしね。(集団塾でも)周りが出来すぎても出来なさ過ぎてもちょっとやりにくかったり。」
塩崎「一人一人に合わせられるっていう、それは我々の大きな強みですよね。」
南野「そうですね。」
塩崎「教育大や実習での経験で塾で役に立っていることって何かあります?」
南野「それはもういっぱいありますよ。」
塩崎「特に役に立ってることは?」
南野「心に余裕ができましたね。実習に行くといろんな子を見るじゃないですか。ほんとにいろんな生徒に関わって、先生でもそうですけど。色んな先生や生徒がいて、全員が全員、全く違う人じゃないですか。もうほんとにいろんな人がいるなと。この人にはこうしていいけどあの人にはダメみたい、そういうのもやっぱりありますし。それに一回々々腹を立てたりヘコんだりしてたらきりがないなと。ほんとに色々ありましたけど、いちいちキレてたりしたらね(笑)なので、心が広くなったなっていうのが一番ですかね。」
塩崎「そうだね。それって先生になるうえですごく大事かもしれないね。心を広く、器を広くっていう。逆に、学校で教鞭をとる上で今後活かしていけそうな塾での経験はありますか?」
南野「個別指導のスキルはどんどん上がっているかなと。生徒のレスポンスなんか、ここホントにわかってるんだろうかとか、そういうのが少しずつですけど見極められるようになってきて。ただやっぱりどうなんでしょう。集団授業もやってみたいですね。」
塩崎「またうちでもそれ、テスト対策なんかでありますから。」
南野「お楽しみということで。」
塩崎「なかなかやっぱり学校とは別物かなというところですか。」
南野「別物ですね。」
塩崎「なるほどなるほど。」
南野「ぜひWam庄内校・技術講座を(笑)」
塩崎「ちょっとそれ真剣に考えましょう(笑)」
南野「免許ありますからね(笑)」
塩崎「せっかくですからね(笑)さっきもちょっと話題に出てたけど、ぜひ部活(吹奏楽)のことも話してほしいんですが。僕もお手並みを拝見したことがあるんですけど、ほんとに素晴らしい腕前で。」
南野「いえいえ、お恥ずかしい(笑)まぁ最終的に大学終わるまで続けていましたし、この前卒業しましたけど、やっぱり十何年続けてるとね。楽しかったりしんどかったり。」
塩崎「部活動ってやっぱり、学生の間はすごく重要なことよね。文武両道ともいうけれど。」
南野「勉強もしつつ。」
塩崎「南野先生はそれをしてこられたということで。うちの生徒にも、どちらか片方だけでなく、できれば両方ね。」
南野「もったいないですからね。」
塩崎「部活じゃなくても、趣味でも何でもいいんだけれど。そういうのも頑張ってもらいながら、勉強というところでもね。我々もサポートしていきたい。」
南野「親からもいつも言われてたんですよ。勉強以外でも何でもいいから、とりあえず何か一つ、学校で一番を持てと。たとえば『吹奏楽のことはあいつに聞け』と学校中で言われるようになれ、なにかそういう趣味なり何なりを持てと。一芸に秀でろと。」
塩崎「確かに。それ大事よね。一芸に秀でろ。まぁなんというか、他のこともある程度やりつつも、何か一つ特化したものを。胸張って言えるようなことをね。」
南野「何か一つそういうのがあると、他のことも連鎖して自信ついて出来るようになっていきますからね。」
塩崎「生徒と接する中でこう、趣味もないみたいに言っちゃったり、なかなか自分に自信を持てない生徒なんかも見かけるなぁなんてよくと思うんだけれど。そういったところでも、何かこう打ち込めることが一つあるというのはね。勉強はもちろん、常々ついていくものなんで大事なことではあるけれど。それと同時に何かね、自信を持ってやっていけるような。そういうの親御さんが言ってくれていたっていうのは素晴らしいね。」
南野「有難うございます。」
************************************************************
自分で自ら目標を持って勉強するっていう習慣を身に付けてほしいです。
************************************************************
塩崎「それでは、これから学校や塾で教えていく中で常に心がけていること、モットーなんかはありますか。」
南野「子供たちには、最初はもちろん教えて聞かせますけど、やっぱり自分で問題を読んで、自分で答えを導き出していけるようになってもらいたいですね。宿題なんかでも、とりあえずパッと答えだけ写してっていう生徒もいるんですけど。やっぱりそれは勉強にはなってない。大学になったら絶対しないといけないことですけど、自分で自ら目標を持って勉強するっていう習慣を身に付けてほしいです。それに関してどう教えていくかっていうところですかね。」
塩崎「なるほど。まぁ我々も個別塾っていうところで、先生横にいるんだしっていうので。よく言われることなんだけれども。でもやっぱりそうじゃなくて、自分で勉強できるように、ちょっとずつね。促していく、そのサポート我々はしたいですよね。大学なんかは本当にそうだけど、最終的には自分で勉強しないといけないし。今はガミガミ『勉強しろ』って言ってくれる人がいるけど、いつか誰も言わなくなる。なんていうのかな、勉強の自立っていうか。そういったところも身に付けさせたいですよね。」
南野「そうですね。」
塩崎「誰かが横にいないと勉強できないようだとね。」
南野「厳しいですね。世の中でてからやっぱり困りますから。」
塩崎「うんうん。そりゃ今はね、小学生・中学生の間はもちろん仕方ないんだけれど。少しずつそういった準備っていうのを。特に中学生ぐらいからはしていけるように。」
南野「中学生ぐらいからはね。」
塩崎「それでは最後に受験生に向けてメッセージを。」
南野「中三の受験を前にしたこの時期っていうのは、まぁどうあがいても人生に一度しかないので。もちろんどの時間も大切ですけど、中学生となると、おそらく今まで生きてきた中で一番大切な時期であることは間違いないと思うので、大切にしてほしいですね。これからも色々ありますけど、かなり大きいイベントなので。」
塩崎「そうですね。人生に一回しかないですからね。」
南野「ほんとに人生変わりますからね」
塩崎「もちろん、必ず望んだ結果がついてくるというわけではないけれど。」
南野「頑張った分は必ず。」
塩崎「何かしらのね。例え志望どおりにいかなかったとしても、あの時あれだけ頑張ってよかったなと、そう思ってもらえるように我々も頑張っていかないといけませんしね。そのサポートを、学校でも塾でも南野先生には。」
南野「していかないとダメですね。」
塩崎「お願いします。南野先生、今日は有難うございました。」
******************************************************
約30分のインタビューで沢山の興味深いお話をうかがうことが出来ました。南野先生、本当に有難うございました!!
飛び入りのセッションで見事な腕前を披露してくれた南野先生(写真)
いつか生徒の皆さんにもお披露目するかも!?笑