教室ブログ

2014.11.26

河西貴志高等部便り32

Beauty! I cannot bear the thought that a man of noble heart and lofty mind sets out with the ideal of the Madonna and ends with the ideal of Sodom. What’s still more awful is that the man with the ideal of Sodom in his soul does not renounce the ideal of the Madonna, and in the bottom of his heart he may still be on fire, sincerely on fire, with longing for the beautiful ideal, just as in the days of his youthful innocence.
(Dostoevski , The Brothers Karamazov )

「ああ美か!俺がおまけにがまんならないのは、美しい心と優れた理性をもった立派な人間が、聖母(マリア)の理想をもって踏み出しながら、悪行(ソドム)の理想をもって終わるってとこなんだな。それにもまして恐ろしいのは、悪行の理想を心に抱いている人間が、同時に聖母の理想を否定もせず、むしろ心はまるでうぶなガキの時代みたいに、聖母の理想に心から燃えているってことなんだ。」

こんばんは。河西貴志高等部からです。

冒頭に掲げた英文はドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟からです。英訳よりも日本語訳のほうがずっと優れていますから、是非高校生の皆さんは読んでみてくださいね。
といいつつも、私自身は高校生の頃から読もう読もうと思いつつ、どの作品もまともに読了したことはないのですが。

バフチンや小林秀雄のドストエフスキー論みたいなものはよく読んだのですが、小説そのものは細かくは読んでいません。「罪と罰」も「カラマーゾフ」も朗読テープやCDを使って、やっと内容をつかんだという程度です。

さて、和歌山でも知事選挙が近づいてきました。選挙に特に関心はないですし、行政の表層的なイマジネーションでできることは限られていると思います。仰天するような候補者が現れれば(笑)、ひょっとしたら選挙に行くかもしれませんが。

ただ、大規模選挙においては1票の重みといっても、そもそも非常に知れたものだと思います。1票の重み云々といったところで、0.0001とか0.0002のどちらが大きいのか、実は両方ともほとんど0に近いわけですね。

人間はあまり意味のないことや軽い意味しかないことは、冷静な気持ちになればやろうとしません。政治学者にも、投票しないということは説明する必要のないくらい当たり前のことである、といっている人もおります。もちろん、投票=政治というわけではないですし、投票に行かない人のほうがある意味‘政治的人間’である場合もあるかと思われますね。

あと、憲法レベルでは投票権となっているのに、公職選挙法では義務であると書かれてあって混濁しています。その辺にも矛盾はあるのかなと思われます。

さて、前置きが長くなりましたが、若い高校生たちには文芸や芸術(音楽活動も含め)に触れて、もっと精神的になってほしいと思いますね。例年、そういう知的好奇心のある高校生に必ず遭遇します。

年々、手の少し入った海と山、そして工場とスーパーとパチンコみたいな風景になってきているものの、紀州には元々そういう土壌があります。ひょっとしたら、そういう貧困な光景からこそ、内面豊かな人が育ってくるのかもしれません。

取りとめもないですが、以上です。


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