教室ブログ

2011.05.20

You look but see nothing. 見れども見えず

In his boredom, Shimamura stared at his left hand as the forefinger bent and unbent. Only this hand seemed to have a vital and immediate memory of the woman he was going to see. The more he tried to call up a clear picture of her, the more his memory failed him, the farther she faded away, leaving him nothing to catch and hold. In the midst of this uncertainty only the one hand, and in particular the forefinger, even now seemed damp from her touch, seemed to be pulling him back to her from afar. Taken with the strangeness of it, he brought the hand to his face, then quickly drew a line across the misted over window. A woman’s eye floated up before him.  (YASUNARI KAWABATA  SNOW COUNTRY)

「・・・島村は退屈まぎれに左手の人差指をいろいろに動かして眺めては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている、はっきり思い出そうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてゆく記憶の頼りなさのうちに、この指だけは女の触感で今も濡れていて、自分を遠くの女へ引き寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけて匂いを嗅いでみたりしていたが、ふとその指で窓ガラスに線を引くと、そこに女の片眼がはっきり浮き出たのだった。」 

夏の一日が続いていて空の青みが目立っています。楠見校からです。こういう日に合わせてシャツでもワンピースでもどこかにブルー系を取り入れるのがいいですね。

僕は暑いのは割合平気なんですが、冒頭に掲げた川端康成の「雪国」でも読んでクールダウンしましょうか。

それで、今日は英語の「みる」について少し見ていきたいとおもいます。
英語は視覚に関しての動詞が発達しておりまして、それは色々な単語がありますね。

see や look at や watch のような有名どころのほかに、上記英文にも出ている stare at や gaze at や observe のような受験英語でもおなじみの単語たちがあります。

それらの違いをかんたんに説明しましょう。

まず、 stare at や gaze at 。

両方とも「じっと見つめる」という意味がありますが、stared at には美しい対象をじっとりと見るというニュアンスがあって下記のように使いますね。

Her beauty can’t keep me from staring at her.  「彼女の美しさに、見ずにはいられないのだ」

対して gazed at O は、もっと中立的で、そのような意味あいはありません。あと、glare at は「にらむ」という意味になります。

observe というのは、watch に似ているのですが、やや硬質の表現であり好奇心も感じられます。

Her taste was observing beasts mating desperately in the zoological gardens.

「彼女の趣味は、動物園で獣たちが死に物狂いで交尾するのを観察することだった。」

まとめると、

stare は「じろじろ見る、凝視」

gaze は「じっくり見る、熟視」

glare は「にらみ見る、敵視」

watch は「動くものを見る、注視」

observe は「観察する、監視」

わかりましたか。


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