All alone, he came to his arbitrary conclusion: he did not like people. Husbands and wives, parents and children, brothers and sisters: the bonds were not easily cut even with the most unsatisfactory of people. One had to be resigned to living with them. And everyone possessed what is called an ego.
There was, on the other hand, a certain sad purity in making playthings of the lives and the habits of animals, and, deciding upon an ideal form, breeding toward it in a manner artificial and distorted : there was in it a godlike newness.
「だから人間はいやなんだと、孤独な彼は勝手な考えをする。夫婦となり、親子兄弟となれば、つまらん相手でも、そうたやすく絆は断ち難く、あきらめて共に暮らさねばならない。おまけに人それぞれの我というやつを持っている。
それよりも、動物の生命や生態をおもちゃにして、一つの理想の鋳型を目標と定め、人工的に、畸形的に育てている方が、悲しい純潔であり、神のようなさわやかさがあると思うのだ。」(川端康成)
こんばんわ。楠見校スタッフBです。
本日は久々に英文法の解説をしましょう。
素材は2回目となるノーベル賞作家の川端康成の「禽獣」からです。
川端は、女の人や生き物を蹂躙するようなことをいたって普通に書いているんですが、それでいて文には異様な透明感がありますね。
現代では考えられない魔界の住人の文章を、英文と共に味わってみましょう。
今回は文中に2度出ている there is について説明させていただきますね。
◎There +be動詞+名詞+~の表現について
中学時代よりThere is 構文で知られるこの形はみなさんにもお馴染みですね。
ただ、基本的に「~の名詞がある」というよりも、「名詞」と「~」との関係がどうなり、「名詞が~だ」と考えたほうがよいでしょう。
文頭のthere の指示機能によって意味の重点がうしろに移ると考えてください。
1、There is a cat under the desk
(ネコが机の下にいます。)
2、There are a lot of boys playing baseball in the park.
(男の子たちが公園で野球をしています。)
ただし、下記の場合は通常この構文を使わないので注意が必要です。
1、固有名詞の場合
There is Mt Fuji in Japan.→×
2、名詞にtheがつく場合
There is the book on the desk.→×
3、名詞に所有格や指示形容詞(that)がつく場合
There is my dog in the park.→×
※ただし、文脈上聞き手(読み手)にとって there の次に来る情報が新しい場合は、まれに固有名詞やthe+名詞もくるケースがあります。
あと、下記のような自動詞も there の次にくるケースがあります。これは入試等でも頻出ですので知っておいてください。
seem, appear, live, stand, remain, take place, begin, come, follow などの存在・できごと・往来にかかわる動詞群がそうですね。
1、There seems to have been some misunderstanding among them.
2、There took place a splendid banquet.
分かりましたか。