“I can let you have one of my arms for the night,” said the girl. She took off her right arm at the shoulder and, with her left hand, laid it on my knee. 【「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私のひざに置いた。】 (川端康成)
楠見校スタッフBです。
高校生のみなさん、これから時々文学作品なんかをを使って英文法の解説をさせていってもらいましょう。
まずは、使役動詞の訳しかたについてまとめておくので参考にしてください。
第5文型で使われる使役動詞の代表的なのには、1、make 2、let 3、have 4、get がありますね。それぞれ訳しかたをまとめておきましょう。
1、make O do 「Oに~させる」→Oに~を強制的にさせる意味合いですが、無生物主語の場合は強制の度合いが弱まります。
2、let O do 「Oに~させる」→上の例文にでも出てますが、Oが~するのを許可・放置する感じです。
3、have O do 「Oに~させる・してもらう」→Oは何らかの職業の人で、その人に料金を払って「仕事・サービスをさせる(してもらう)」、あるいは目上の人が目下の者に「~させる」のが通常の使い方です。
4、get O to do 「Oに~させる・してもらう」→to がつくことに注意。説得や努力が伴って、Oに~させる感じです。
とくに注意すべきは、34の have とget で、目的語(O)と補語(C)の間に受動的な主述関係がある場合は訳しかたに工夫が必要になってきます。
I had my hair cut at school.
この例文で~使役~被害~完了の3種類の訳ができますが、それを区別する方法は次の通り。
1、Oが他人に~されて、かつその結果を望んでいる場合は使役。
2、Oが他人に~されて、かつその結果を望んでいない場合は被害。
3、Oが自分で結果を実現する場合は完了となります。
それぞれ具体的な訳は
1、「私は学校で髪を(友人に頼んで)切ってもらった。」
2、「私は学校で、髪を(先生に捕まり)切られた。」
3、「私は学校で、髪を(自分の手で)切ってしまった。」
となります。文の前後関係から適切な訳を考えるようにしましょう。
わかりましたか。